種類

日本の収納家具事情~使いやすい収納家具を選ぶためには?

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私たちが日常生活を送るうえで、家具はなくてはならない存在です。
特に首都圏では、昔々と違って、1Kや1Rといったアパートやマンションが居住空間の主流となり、賃貸物件においては、どれだけ収納が付いているかが、部屋選びの基準のひとつにもなっているほど。
もちろん部屋にクローゼットや棚がたくさん付いていればよいのですが、多くのワンルームマンション・アパートでは、クローゼットがないか、付いていても小さなものばかりかもしれません。

やはりどれだけの収納スペースがあるかどうかで、私たちの生活環境は変わります。
まず「収納家具」と聞いてイメージするのは、衣装タンスや本棚ではないでしょうか。他にもテレビ台や食器棚も収納家具のひとつです。
今は収納家具も様々な素材で作られていますが、やはり最も多いのは木製のものですね。
部屋のインテリアとしても、最も見栄えのよい素材として木材の人気は高いようです。
最近では「DIYブーム」の影響もあり、新品の家具を購入するには少しお金が……と思いながら、工夫を凝らして家具を自作する人も増えました。

今回は、そんな私たちの暮らしを支えている収納家具についてご紹介します。

収納家具

収納家具の歴史①~江戸時代中期のタンス

正倉院から元禄時代・タンスの普及まで

私たち日本人が、収納家具を使い始めたのは、いつ頃のことなのでしょうか?
歴史を紐解いてみると、日本で収納家具の代表格である箪笥(タンス)が一般的に使われ始めたのは、江戸時代の中期・元禄時代のようです。
それより前の時代でも、厨子(ずし)や棚、檀などは使われていました。
国内に現存する最古の収納具は、正倉院に保管されている棚や檀だと言われています。東大寺の正倉院が作られたのは756年(天平勝宝8年)という説があり、そう考えると1400年以上もの間、収納家具の使い方は大きく変化していません。

そこでなぜ、江戸時代中期になって箪笥が使われ始めたのかというと、そのころの日本には宮大工や職人が多数存在しており、そうした職人たちが様々な家具を手掛けるようになっていったためだと言われています。
着物を収納する衣装箪笥は、江戸時代の寛文年間(1661~1673年)に大阪で作られたものが最初だと推測されています。
当時は女性の普段着として丈が短く袂に丸みがついた「元禄袖」が流行しました。その普及とともに、衣装箪笥も各地へと普及していったようです。

収納たんす

一般庶民に普及した収納用品とは?

当時の箪笥は高級品で、所持することができたのは一部の上流階級の人間のみ。
一般の人々は竹やヒノキなどで編まれた葛籠(ツヅラ)や行李(コウリ)と呼ばれる小型の箱や、櫃(ヒツ)・長持(ナガモチ)と呼ばれる大型の木箱に、衣類や布団などの日常的に使う家財道具を入れて収納していました。

葛籠とはツヅラフジの弦などで編んだ、蓋(ふた)付きの籠の一種を指します。その後、竹を使って縦横に合わせて編んだ四角い衣装箱のことを一般的に葛籠と呼ぶようになりました。
植物の弦を編んで籠を作る技術は縄文時代から受け継がれ、主に運搬の際に使われていました。
行李は、竹や柳、籐(トウ)などの植物を編んで作られた葛籠の一種で、長方形の容器で「かぶせ蓋」の構造になっています。
衣料や文書、または雑物を入れるのに収納するために用いられ、柔軟性があり蓋が盛り上がるほど大量に収納することができるため、重宝されていました。

櫃はかぶせ蓋がついた箱のことを指し、現在にも受け継がれ、収納用に多用されています。
櫃には倭櫃(ヤマトビツ)と唐櫃(カラビツ)があり、脚がついてないものを倭櫃、四本または六本の脚がついたものは唐櫃と呼ばれます。
長持は衣類や寝具の収納に使用された長方形の木箱を指し、寝具が大型化した江戸時代には武家で長持が使用され始め、やがて庶民の間にも普及するようになったのです。

収納額の歴史②~明治から現代まで

北海道・旭川が家具の一大生産地に

私たちの生活になくてはならない収納家具。一般的に使われている衣装箪笥が普及し始めたのは、申し上げたように江戸時代の中期からです。では江戸時代以降はどのように発展をしていったのでしょうか?

当時の家具といえば木製のものが、ほとんどでした。したがって代表的な木材の生産地は、家具の生産地でもあったのです。
明治時代末期に、北海道開拓の一環として本州から多くの大工や家具職人が旭川に移住しました。旭川には豊富な森林資源があったため、それを機に多くの和箪笥が作られたのです。
旭川には大日本帝国軍の陸軍第7師団が置かれ、さらに鉄道も開通し、貨物列車や客車を作る工場もできて、多くの人間がそこで暮らすようになりました。
工業地帯として活発になるにつれ、仕事を求めて本州からたくさんの人が旭川に移り住むようになり、

同時に江戸では高級品と言われていた箪笥も一般的に出回るようになります。
需要を満たすため、本州から大工や家具職人も多く旭川に移り住み始めました。
旭川には広大な原生林と、質のよい木材がそろっており、多数の良質な家具が生産されるようになっていったのです。

原生林

家具の産地は日本全国に・・・

旭川で収納家具作りが大きく発展したのは、大正に入ってからと言われています。後に「木工伝習所」を結成され、地元の豊富な木材を生かした産業として家具作りを発展させていきました。
旭川以外では、静岡の静岡家具も現代に受け継がれる家具の生産地でした。

江戸時代に時の将軍・徳川家光が静岡浅間神社の大造営を行った際に、各地より移住をしてきた職人が基礎となり発展を遂げたのです。
静岡は漆塗りの技法を生かした鏡台や、茶箪笥産地として古くから名を馳せており、また桐で出来た和箪笥の生産地であることも有名ですね。他に有名な家具の産地といえば、飛騨、府中、徳島、大川などが挙げられます。

このように、明治に入ると日本家具が全国的に、一般庶民にも普及していきましたが、同時に西洋文化が急激に押し寄せたのもこの時代。
日本人の体格や暮らし方に合わせたキャビネットやソファなどが登場し、収納家具はますます日本人の生活へと浸透していったのです。

収納家具はどんな材料で、どうやって作られるのか

日本では、どの家具がどの材料で作られ、どのような工程で製造されているのか、皆さんご存じですか?
家具には様々な原産地があり、それだけ材料も、製造工程も様々です。

今回は伝統工芸にも挙げられる越前箪笥の材料と製造工程をご紹介しましょう。
越前箪笥の元となる木材には、次のようなものがあります。

・ケヤキ
・桐
・松
・ひのき
・杉
・ヒバ

また、越前箪笥には「枠組み箪笥」と「板組箪笥」があり、なかでも枠組み箪笥は「ほぞ継ぎ」という伝統技術を用いています。
「ほぞ継ぎ」は家具製作や木工において最もよく使われる接合方法で、一方の材料に「ほぞ穴」を作り、もう一方の材料にはそれに合った形の「ほぞ加工」を行い、差し込んで接合します。

塗装の技術「漆塗り」の技術の一つである呂色塗りは、手間が非常にかかるものですが、光沢を発するほどに磨きあげられた表面、奥深いところまで木目が透けて見えるその技法は、まさに圧巻の一言です。

家具には本物かどうか判断する基準がある

では実際に家具の選定を行う際に、その越前箪笥が本当に越前で作られたかどうかを判断する基準をご紹介しておきましょう。
それは、使われている金具に注目することです。
越前箪笥には、通常ハートの形をくりぬいたような特徴的な金具が用いられています。この形は「猪目」と呼ばれ、読んで字のごとくイノシシの目という意味です。

越前たんす

東大寺大仏殿の金具に用いられている「猪目」

古くからイノシシや獣の目をモチーフにしたものには魔除けの力が備わっていると信じられており、また「猪武者」などの言葉からも分かるように、イノシシという存在はその力強さから、武士からも好まれたモチーフとして伝わっていたのです。
猪突猛進という言葉にもあるように、その勇ましく前に進む力にあやかろうと考えたのでしょう。この猪目は家具の他にも刀や鎧、甲冑、兜、槍などの武具にも使われていたようです。

金具一つをとって見ても、職人のこだわりや思いがよく表れていることが分かります。当時の職人たちも、使ってくれる人のことを考えて誠心誠意心を込めて作ったものです。
越前箪笥だけでなく、家具にはそれぞれの特徴がありますので、よいものを選ぶためにもきちんと把握しておきましょう。

使いやすい収納家具の選び方 2つのポイント

現代は流通が発達し、市場に物が溢れている現代では、自然と収納スペースが足りなくなって苦労することも多いかもしれません。
そこで、収納家具を選ぶ際に注目してほしい2つのポイントをご紹介します。

・部屋のデッドスペースを無くす
・引き出しの数やサイズを確認する

部屋のデッドスペースを無くす

部屋の空間には限りがありますから、様々な物品を綺麗に収納するためには、まずは部屋全体のデッドスペースをなくすことが肝心です。
たとえばリビングにテレビ台が置いてある場合には、そのテレビの上の空間はどうなっているでしょうか?

リビングは生活する上で最も長い時間を過ごす空間であり、必然的に物があふれやすい傾向にあります。ですが、テーブルの上に雑多に物を置いてしまうと見栄えも悪く、いざ使おうとした時に、何がどこにあるのか分からなくなってしまうことはありませんか?
きちんと収納を行うことを考えた場合には、テレビ台を設置するよりも収納家具にもなるテレビボードを設置したほうがよいかもしれませんね。

テレビを置くスペースの上に棚が付いているテレビボードは、壁面収納が可能になるので、占有するスペースはテレビ台と同じでも、より多くの物を収納できるようになります。

壁にも壁面収納できる棚などを取り付けることにより、収納スペースを増やせます。壁につけられる収納家具としては、ウォールシェルフがありますし、最近では「壁一面の本棚」も人気ですよね。

薄いものから厚いものまで様々なものがありますから、壁の材質や収納したい物など用途に合わせて、適した収納家具を選びましょう。

引き出しの数やサイズを確認する

クローゼットや箪笥には、大きな衣類だけでなく、ハンカチや靴下、下着などの細かいものを収納しておくこともありますね。
そこで「引き出しの数が足りないから」と雑多に収納を行ってしまうと、いざ取り出そうとしたときにゴチャゴチャしてしまい、靴下の片方だけがいつまでたっても見つからない……なんて事態なりかねません。

家具はインテリアの一部ですから、見た目に注目することももちろん大切ですが、収納家具を購入する際にはその引き出しの数やサイズを確認し、どこに何を収納するかをしっかりとイメージしておきましょう。

収納たんす

たとえば、引き出しのサイズが大小に分かれているのなら、
「大きな引き出しの上から何段目まではTシャツ」
「下から何段目まではジーンズなどを収納する」
「小さな棚には下着を入れる」
など、衣服の種類ごとに自分でルールを定めて収納しておくことで、利便性は格段に向上するのです。

また、クローゼットを選ぶ際には、扉の開閉スペースにも注意したいところです。
現在では様々なサイズのものが販売されており、横幅が30センチほどのスリムタイプも存在します。
しかし実際には、扉を開けて出し入れするわけですから、わずかなスペースに無理をしてクローゼットを設置してしまうと、扉が壁や他の家具に干渉してしまい、上手く稼働しないなんて話を聞くこともありますよね。

出し入れの際には自分がクローゼットの目の前に立つ必要もあるので、そのスペースの確保ができるかどうかも、忘れずに確認しておきましょう。

家具には長い歴史があるからこそ・・・

収納家具の歴史は古く、工夫を凝らし、少しでも生活の利便性を向上させようとした人々の知恵と柔軟な発想から進化していったものです。
昔々の和家具は非常に高品質だったこともあり、現代でもアンティーク家具として人気を集めています。手作業独特の温かみがあり、漆の艶やその木目の美しさなどは、熟練の職人でなければ表現ができないとも言われます。
衣装箪笥や鏡台は、女性の嫁入り道具として扱われてきました。

きっと、皆さんの家にある古い家具にも、代々続く長い歴史が刻まれているでしょう。今ある家具も、これからご購入される家具も大切に取り扱い、末永く愛用していってください。

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日本の収納家具事情~使いやすい収納家具を選ぶためには?

私たちが日常生活を送るうえで、家具はなくてはならない存在です。

特に首都圏では、昔々と違って、1Kや1Rといったアパートやマンションが居住空間の主流となり、賃貸物件においては、どれだけ収納が付いているかが、部屋選びの基準のひとつにもなっているほど。

もちろん部屋にクローゼットや棚がたくさん付いていればよいのですが、多くのワンルームマンション・アパートでは、クローゼットがないか、付いていても小さなものばかりかもしれません。


やはりどれだけの収納スペースがあるかどうかで、私たちの生活環境は変わります。

まず「収納家具」と聞いてイメージするのは、衣装タンスや本棚ではないでしょうか。他にもテレビ台や食器棚も収納家具のひとつです。

今は収納家具も様々な素材で作られていますが、やはり最も多いのは木製のものですね。

部屋のインテリアとしても、最も見栄えのよい素材として木材の人気は高いようです。

最近では「DIYブーム」の影響もあり、新品の家具を購入するには少しお金が……と思いながら、工夫を凝らして家具を自作する人も増えました。


今回は、そんな私たちの暮らしを支えている収納家具についてご紹介します。


収納家具


収納家具の歴史①~江戸時代中期のタンス


正倉院から元禄時代・タンスの普及まで


私たち日本人が、収納家具を使い始めたのは、いつ頃のことなのでしょうか?

歴史を紐解いてみると、日本で収納家具の代表格である箪笥(タンス)が一般的に使われ始めたのは、江戸時代の中期・元禄時代のようです。

それより前の時代でも、厨子(ずし)や棚、檀などは使われていました。

国内に現存する最古の収納具は、正倉院に保管されている棚や檀だと言われています。東大寺の正倉院が作られたのは756年(天平勝宝8年)という説があり、そう考えると1400年以上もの間、収納家具の使い方は大きく変化していません。


そこでなぜ、江戸時代中期になって箪笥が使われ始めたのかというと、そのころの日本には宮大工や職人が多数存在しており、そうした職人たちが様々な家具を手掛けるようになっていったためだと言われています。

着物を収納する衣装箪笥は、江戸時代の寛文年間(1661~1673年)に大阪で作られたものが最初だと推測されています。

当時は女性の普段着として丈が短く袂に丸みがついた「元禄袖」が流行しました。その普及とともに、衣装箪笥も各地へと普及していったようです。


収納たんす


一般庶民に普及した収納用品とは?


当時の箪笥は高級品で、所持することができたのは一部の上流階級の人間のみ。

一般の人々は竹やヒノキなどで編まれた葛籠(ツヅラ)や行李(コウリ)と呼ばれる小型の箱や、櫃(ヒツ)・長持(ナガモチ)と呼ばれる大型の木箱に、衣類や布団などの日常的に使う家財道具を入れて収納していました。


葛籠とはツヅラフジの弦などで編んだ、蓋(ふた)付きの籠の一種を指します。その後、竹を使って縦横に合わせて編んだ四角い衣装箱のことを一般的に葛籠と呼ぶようになりました。

植物の弦を編んで籠を作る技術は縄文時代から受け継がれ、主に運搬の際に使われていました。

行李は、竹や柳、籐(トウ)などの植物を編んで作られた葛籠の一種で、長方形の容器で「かぶせ蓋」の構造になっています。

衣料や文書、または雑物を入れるのに収納するために用いられ、柔軟性があり蓋が盛り上がるほど大量に収納することができるため、重宝されていました。


櫃はかぶせ蓋がついた箱のことを指し、現在にも受け継がれ、収納用に多用されています。

櫃には倭櫃(ヤマトビツ)と唐櫃(カラビツ)があり、脚がついてないものを倭櫃、四本または六本の脚がついたものは唐櫃と呼ばれます。

長持は衣類や寝具の収納に使用された長方形の木箱を指し、寝具が大型化した江戸時代には武家で長持が使用され始め、やがて庶民の間にも普及するようになったのです。


収納額の歴史②~明治から現代まで


北海道・旭川が家具の一大生産地に


私たちの生活になくてはならない収納家具。一般的に使われている衣装箪笥が普及し始めたのは、申し上げたように江戸時代の中期からです。では江戸時代以降はどのように発展をしていったのでしょうか?


当時の家具といえば木製のものが、ほとんどでした。したがって代表的な木材の生産地は、家具の生産地でもあったのです。

明治時代末期に、北海道開拓の一環として本州から多くの大工や家具職人が旭川に移住しました。旭川には豊富な森林資源があったため、それを機に多くの和箪笥が作られたのです。

旭川には大日本帝国軍の陸軍第7師団が置かれ、さらに鉄道も開通し、貨物列車や客車を作る工場もできて、多くの人間がそこで暮らすようになりました。

工業地帯として活発になるにつれ、仕事を求めて本州からたくさんの人が旭川に移り住むようになり、


同時に江戸では高級品と言われていた箪笥も一般的に出回るようになります。

需要を満たすため、本州から大工や家具職人も多く旭川に移り住み始めました。

旭川には広大な原生林と、質のよい木材がそろっており、多数の良質な家具が生産されるようになっていったのです。


原生林


家具の産地は日本全国に・・・


旭川で収納家具作りが大きく発展したのは、大正に入ってからと言われています。後に「木工伝習所」を結成され、地元の豊富な木材を生かした産業として家具作りを発展させていきました。

旭川以外では、静岡の静岡家具も現代に受け継がれる家具の生産地でした。


江戸時代に時の将軍・徳川家光が静岡浅間神社の大造営を行った際に、各地より移住をしてきた職人が基礎となり発展を遂げたのです。

静岡は漆塗りの技法を生かした鏡台や、茶箪笥産地として古くから名を馳せており、また桐で出来た和箪笥の生産地であることも有名ですね。他に有名な家具の産地といえば、飛騨、府中、徳島、大川などが挙げられます。


このように、明治に入ると日本家具が全国的に、一般庶民にも普及していきましたが、同時に西洋文化が急激に押し寄せたのもこの時代。

日本人の体格や暮らし方に合わせたキャビネットやソファなどが登場し、収納家具はますます日本人の生活へと浸透していったのです。


収納家具はどんな材料で、どうやって作られるのか


日本では、どの家具がどの材料で作られ、どのような工程で製造されているのか、皆さんご存じですか?

家具には様々な原産地があり、それだけ材料も、製造工程も様々です。


今回は伝統工芸にも挙げられる越前箪笥の材料と製造工程をご紹介しましょう。

越前箪笥の元となる木材には、次のようなものがあります。



・ケヤキ

・桐

・松

・ひのき

・杉

・ヒバ



また、越前箪笥には「枠組み箪笥」と「板組箪笥」があり、なかでも枠組み箪笥は「ほぞ継ぎ」という伝統技術を用いています。

「ほぞ継ぎ」は家具製作や木工において最もよく使われる接合方法で、一方の材料に「ほぞ穴」を作り、もう一方の材料にはそれに合った形の「ほぞ加工」を行い、差し込んで接合します。


塗装の技術「漆塗り」の技術の一つである呂色塗りは、手間が非常にかかるものですが、光沢を発するほどに磨きあげられた表面、奥深いところまで木目が透けて見えるその技法は、まさに圧巻の一言です。


家具には本物かどうか判断する基準がある


では実際に家具の選定を行う際に、その越前箪笥が本当に越前で作られたかどうかを判断する基準をご紹介しておきましょう。

それは、使われている金具に注目することです。

越前箪笥には、通常ハートの形をくりぬいたような特徴的な金具が用いられています。この形は「猪目」と呼ばれ、読んで字のごとくイノシシの目という意味です。



[caption id="attachment_160" align="aligncenter" width="300"]越前たんす 東大寺大仏殿の金具に用いられている「猪目」[/caption]

古くからイノシシや獣の目をモチーフにしたものには魔除けの力が備わっていると信じられており、また「猪武者」などの言葉からも分かるように、イノシシという存在はその力強さから、武士からも好まれたモチーフとして伝わっていたのです。

猪突猛進という言葉にもあるように、その勇ましく前に進む力にあやかろうと考えたのでしょう。この猪目は家具の他にも刀や鎧、甲冑、兜、槍などの武具にも使われていたようです。


金具一つをとって見ても、職人のこだわりや思いがよく表れていることが分かります。当時の職人たちも、使ってくれる人のことを考えて誠心誠意心を込めて作ったものです。

越前箪笥だけでなく、家具にはそれぞれの特徴がありますので、よいものを選ぶためにもきちんと把握しておきましょう。


使いやすい収納家具の選び方 2つのポイント


現代は流通が発達し、市場に物が溢れている現代では、自然と収納スペースが足りなくなって苦労することも多いかもしれません。

そこで、収納家具を選ぶ際に注目してほしい2つのポイントをご紹介します。



・部屋のデッドスペースを無くす

・引き出しの数やサイズを確認する



部屋のデッドスペースを無くす


部屋の空間には限りがありますから、様々な物品を綺麗に収納するためには、まずは部屋全体のデッドスペースをなくすことが肝心です。

たとえばリビングにテレビ台が置いてある場合には、そのテレビの上の空間はどうなっているでしょうか?


リビングは生活する上で最も長い時間を過ごす空間であり、必然的に物があふれやすい傾向にあります。ですが、テーブルの上に雑多に物を置いてしまうと見栄えも悪く、いざ使おうとした時に、何がどこにあるのか分からなくなってしまうことはありませんか?

きちんと収納を行うことを考えた場合には、テレビ台を設置するよりも収納家具にもなるテレビボードを設置したほうがよいかもしれませんね。


テレビを置くスペースの上に棚が付いているテレビボードは、壁面収納が可能になるので、占有するスペースはテレビ台と同じでも、より多くの物を収納できるようになります。


壁にも壁面収納できる棚などを取り付けることにより、収納スペースを増やせます。壁につけられる収納家具としては、ウォールシェルフがありますし、最近では「壁一面の本棚」も人気ですよね。


薄いものから厚いものまで様々なものがありますから、壁の材質や収納したい物など用途に合わせて、適した収納家具を選びましょう。


引き出しの数やサイズを確認する


クローゼットや箪笥には、大きな衣類だけでなく、ハンカチや靴下、下着などの細かいものを収納しておくこともありますね。

そこで「引き出しの数が足りないから」と雑多に収納を行ってしまうと、いざ取り出そうとしたときにゴチャゴチャしてしまい、靴下の片方だけがいつまでたっても見つからない……なんて事態なりかねません。


家具はインテリアの一部ですから、見た目に注目することももちろん大切ですが、収納家具を購入する際にはその引き出しの数やサイズを確認し、どこに何を収納するかをしっかりとイメージしておきましょう。


収納たんす


たとえば、引き出しのサイズが大小に分かれているのなら、

「大きな引き出しの上から何段目まではTシャツ」

「下から何段目まではジーンズなどを収納する」

「小さな棚には下着を入れる」

など、衣服の種類ごとに自分でルールを定めて収納しておくことで、利便性は格段に向上するのです。


また、クローゼットを選ぶ際には、扉の開閉スペースにも注意したいところです。

現在では様々なサイズのものが販売されており、横幅が30センチほどのスリムタイプも存在します。

しかし実際には、扉を開けて出し入れするわけですから、わずかなスペースに無理をしてクローゼットを設置してしまうと、扉が壁や他の家具に干渉してしまい、上手く稼働しないなんて話を聞くこともありますよね。


出し入れの際には自分がクローゼットの目の前に立つ必要もあるので、そのスペースの確保ができるかどうかも、忘れずに確認しておきましょう。


家具には長い歴史があるからこそ・・・


収納家具の歴史は古く、工夫を凝らし、少しでも生活の利便性を向上させようとした人々の知恵と柔軟な発想から進化していったものです。

昔々の和家具は非常に高品質だったこともあり、現代でもアンティーク家具として人気を集めています。手作業独特の温かみがあり、漆の艶やその木目の美しさなどは、熟練の職人でなければ表現ができないとも言われます。

衣装箪笥や鏡台は、女性の嫁入り道具として扱われてきました。


きっと、皆さんの家にある古い家具にも、代々続く長い歴史が刻まれているでしょう。今ある家具も、これからご購入される家具も大切に取り扱い、末永く愛用していってください。


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